開発事例

コネクティッドカー専用自動車保険システムの開発

AWS
サーバーレス
損害保険
コネクティッドカー

当社は、自動車メーカーからリアルタイムで提供される走行データを活用した、コネクティッドカー専用自動車保険システムの開発プロジェクトに参画しました。
当社の技術力と損害保険業界に関する業務知識を活用し、要件定義から設計、開発、テスト、本番移行、保守まで一貫して担当することで、プロジェクトを成功に導きました。

クラウド技術の活用

AWS上でのサーバーレスアーキテクチャ構築

AWSのクラウド技術を活用し、サーバーレスアーキテクチャを採用したシステムを構築しました。
サーバーレスアーキテクチャは、リアルタイムで需要に応じてリソースを調整することが可能な自動スケーリング機能を備えています。
この機能により、システムに必要なパフォーマンスを安定的に維持しつつ、余剰なリソースを削減することで運用コストを抑制できます。
当社はAWSのサービス（AWS Lambda、AWS Fargate、Amazon S3など）を組み合わせて柔軟でスケーラブルなシステムを設計しました。
この設計により、通勤時間帯のようなデータ転送量が急増するピーク時にも安定したサービス提供を実現し、効率的なリソース利用で運用コストの最適化にも成功しました。

リアルタイムデータ処理の実現

当システムの業務要件として、自動車メーカーのデータセンターから24/365で送信される走行データをリアルタイムで処理し、その結果を保険契約者がすぐにWebで確認できることが求められました。
当社はこの要件を満たすため、AWSのAmazon SQSやAWS Lambdaなどを活用して、スケーラブルなデータ処理パイプラインを構築しました。
また、不正データのDLQへの送信処理や何度リトライしてもデータに矛盾を発生させない冪等処理を実装することで、エラー発生時の信頼性を高め、データ損失を防止しました。

Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。

保険業界特有の課題解決

業界知識を活かして実現したレガシーシステムとの連携

レガシーシステム側のインターフェースには明文化されていない部分が数多く存在していました。
もしこの点に気づかないままプロジェクトが進行した場合、プロジェクト終盤のシステム間連携テストで初めて問題を検知することになり、大きな手戻りが発生しかねない状態でした。
しかし、当社はこれまでの損害保険システムの開発・保守で培った経験と業界知識から、プロジェクトの序盤でインタフェース仕様に明文化されていない隠れた仕様の存在を特定しました。
これにより、上流工程の段階でインタフェース仕様の再検討や深堀りをレガシーシステム側の担当者と協力して進めることができ、データ連携を円滑に実現しました。

Column

コネクティッドカーとは？

コネクティッドカーは、インターネットに常時接続された自動車であり、リアルタイムで外部と情報をやり取りできます。
これにより、走行状況や車両状態のモニタリング、故障予知、リアルタイムのルート案内、交通情報の提供など、多様なサービスが可能となります。
車そのものがデジタルインフラの一部となり、安全性や利便性、快適性の向上に寄与します。

コネクティッドカー専用自動車保険とは？

本プロジェクトで構築したシステムは、コネクティッドカーから取得する走行データを活用したPHYD型保険（Pay How You Drive：走り方に応じた保険）を提供しています。
コネクティッドカーから取得した走行データを分析して運転者の運転特性や走行状況をリアルタイムで分析し、安全運転度をスコアリングします。
このスコアをもとに保険料の割引率を決定したり、契約者間でスコアを競わせたりすることによって契約者に安全運転を促すことで、事故リスクの低減や保険料の最適化を図ります。
また、コネクティッドカーが強い衝撃を受けた時に保険会社のコールセンターから契約者へ安否確認の架電をするサービスなども提供しています。

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